奈良生駒の女性行政書士 「すみれ行政書士法務事務所」の野村早香です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。

先日、中吉野地区商工会広域協議会さま主催で、
食品衛生法改正に伴う営業許可変更点についてセミナー講師を勤めました。

平成30年に食品衛生法が改正され、
今年令和3年6月から施行された変更点についてお話しさせていただきました。

内容は、
1)許可業種が見直しになった

2)一つの許可業種で取り扱える食品の範囲を拡大

3)施設基準の見直し
の3本柱です。

1)許可業種は、34種→32種へ統合・新設されました。

例えば、
・喫茶店営業→飲食店営業に統合

・乳類販売業→許可から届出に移行

・食肉販売業・魚介類販売業のうち容器包装に入ったもののみ販売→届出に移行

・みそ製造業、醤油製造業→みそ又はしょうゆ製造業に統合

等です。

食中毒リスクが低いため届出に移行したり、
許可業種がシンプルに整理されたり、
みそ又はしょうゆ製造業は生産過程が同じであるため統合されました。

次に、
2)一つの許可業種で取り扱える食品の範囲を拡大

一つの施設に対して一つの許可業種を原則とするため、
範囲が拡大しました。

例えば、
調理パンを製造販売しているパン屋さんは、従来だと、「菓子製造業」+「飲食店営業」の2つの許可が必要でした。

これが改正により、「飲食店営業」許可が不要になりました。

また、
例えば、カフェで出しているケーキを販売する場合、
従来だと、「飲食店営業」+「菓子製造業」の2つの許可が必要でしたが、

飲食店が調理提供している食品の持ち帰りの範囲内であれば「菓子製造業」の許可が不要になりました。

範囲拡大されましたが、あくまで「持ち帰りの範囲内」というポイントにお気を付けください。

最後に、
3)施設基準の見直しについて、

●従業者用手洗い設備
・・・水栓は洗浄後の手指の再汚染が防止できる構造であること

●更衣場所
・・・従事者の数に応じた十分な広さがあり、作業場への出入りが容易な位置に有すること

●冷蔵、冷凍、加熱等の設備
・・・温度計を備え、必要に応じて圧力計、流量計その他計量器を備えること

が明記されました。

水栓は自動水栓に変えるか、
肘でレバーを操作できるものに変える必要があります。

また更衣場所は、いくら人数が少なくても、ロッカーやハンガー掛け等を設置するようなイメージです。

これらは、すでに許可を受けて営業している場合、
次の更新の時期までに整えればよいことになっています。
(経過措置中)

法改正で大きな変更点である、「ハサップ(HACCP」については6月からすでに施行されていて、
経過措置がありませんのでご注意ください。