奈良・生駒の行政書士「すみれ行政書士法務事務所」の行政書士稲葉です。
ブログをご覧いただきありがとうございます。

日本はハンコ文化だとよく言われますが、みなさんは普段
どのくらいハンコを意識されていますか?

個人であれば認印、銀行印、実印、会社であれば社印といった形で
日本では時と場合によってさまざまなハンコを使います。

コロナウィルスの感染拡大の過程で、リモートワークをされた、
あるいはされている方も多いかと思いますが、
一方で、リモートワークを阻害する要因のひとつとして、
紙書類と印鑑の存在が指摘されています。
紙書類を利用した業務、紙書類への押印といった業務のために
出社せざるを得えないといったものです。

確かに、紙の書類に印鑑を押すことが必要なら
実際に職場に行かないと処理することはできませんし
これまではあまり意識しなかったことかもしれませんが
それなりに労力を使う仕組みですね。

政府は6月19日に押印についてのガイドラインをとりまとめました。
その中で、契約書への押印について、「書面の作成及びその書面への押印は
特段の定めがある場合を除き必ずしも必要ない」との見解が示されています。


また、「テレワーク推進の観点から必ずしも本人による押印にこだわらず、
不要な押印を省略したり、「重要な文書だからハンコが必要」と
考える場合であっても押印以外の手段で代替したりすることが有意義」
としています。

しかし、私は前職でハンコをもらう(上司に説明して決裁をもらう)
ことが仕事のうちで結構な割合を占めていましたが、単純に今ある書類の
押印を省略したからといって業務の効率が劇的に向上するわけではないと
思っています。


ハンコ文化も業務の効率化を阻害するひとつの要素なのかもしれませんが、
直接説明をしなくても、相手に物事がよく伝わるようなフォーマット、
それをやりとりできるツール、すばやく意思決定ができる仕組み、
といったものが合わさって、全体としての業務の効率化が
図れるのではないのかなと思います。

国や都道府県、市町村へ提出する書類への押印も、少しずつですが
減っていく傾向にあります。

個人的には馴染んだ仕組みですので、ハンコ文化が消えていくことは
少し寂しい気もしますが、ここにきてハンコを前提とした業務慣習が
変わっていくのかもしれません。